四月から新しい年度を迎え、沢山の新人看護師を迎えた。看護師を夢み、社会に巣立ち奮闘する姿を取材した。
ご出身は
 「高校三年生のときに長岡中央綜合病院の一日看護体験に参加した」という長谷川朋未さん=写真。白衣を着て病院内を見学。患者さんのお昼ご飯を配ったり、血圧を測る練習をしたりと充実していた様子。「看護師の一員になれたような気がして嬉しかった」とは言うものの、緊張から貧血を起こして倒れてしまった。看護師体験だけでなく患者体験も同時に行ってしまったようである。そのときのスタッフの対応や優しさに触れ、看護の道に進もうと本格的に考えた。
 そして、夏に行われた、中央看護専門学校の学校見学会に参加した。見学会では、ベッドメーキングをしてみたり、赤ちゃんの人形で援助を行ってみたりすることで看護に興味が湧いた。また、在校生から学校生活の話を聞き、この学校で学び、長岡中央綜合病院で看護師として働きたいという気持ちが高まった。
ご出身は
 学校の勉強は想像以上に大変だったという。毎日がレポートや課題の嵐で忙しかったとのこと。しかし、「体のしくみや病気のことを知るのが、楽しくて夢中でした」と笑顔で話す。けれども、三年生になって病院実習が始まるとさすがに勉強も辛く、国家試験の準備も大変だった様子。「母が、睡眠不足の私に毎朝コーヒーを入れてくれてありがたかった」と、ご両親の協力や応援も心強かった。そして、看護師国家試験に合格し念願だった長岡中央綜合病院で看護師として第一歩を踏み出した。
ご出身は
 四月から外科病棟で勤務しているが、本当は緩和ケアに興味があるとのこと。「最初は予想外の部署だったが、手術を受ける患者さんばかりではなく、長期に渡って治療をする人もいて内科的な知識や精神的な看護も必要だと感じました。この病棟で急性期の看護をしっかり勉強し、患者さんの体の痛みや、心の痛みに対応できるようになりたい。そして、いつか緩和ケアについての知識を身につけたい」と今後の目標を語った。
 患者さんに「新人さん、俺が実験台になってやる。分からなくて当たり前だ。頑張れ」と言われた。ありがたいと思う半面もっと頑張って早く一人前になりたいと少し焦った表情を見せる。
 そんな彼女を支えるのが新人看護師のお姉さん役のプリセプターという先輩である。新人の仕事についての教育や、私生活での良き相談相手となる。「最初は何を聞いたらよいのかも分からない状態でした。けど、プリセプターさんが先にいろいろ説明してくれて、次に何をすればよいのか声をかけてくれるので仕事を覚えやすいです。いろいろ相談に乗ってくれて頼もしいです」と、プリセプターとは新人看護師にとってはなくてはならない存在のようである。新人を大事に育てようという風土があるので、新人も頑張ろうという気持ちが高まるのだろう。
 長谷川さんは今、みんなに支えられ、必死で病室を駆けめぐっている。
(取材/那須)
ご出身は
 看護師として初めて患者さんに接する新人を直接指導する先輩看護師プリセプターから一言。
 四月より新卒の長谷川朋未さんが外科病棟に就職され、私はプリセプターとして指導係の役割となりました。私が新人の頃を振り返ると入職時は、毎日が緊張のしっぱなしで、実習の時とは違いたくさんの患者さんと接するので患者さんと上手に関係が築けるのか、ケアがしっかり行えるのかなど多くの不安がありました。しかし、新人研修やプリセプターおよび、病棟スタッフの方からの指導、教育があり、徐々に不安も感じることなく安心して業務を行うことが出来るようになりました。その時のことを思い出し、失敗や悩むこともたくさん出てくると思いますが、それらに対処できるように、何でも相談できる雰囲気を作り、一緒に学び成長していきたいと思います。
 外科病棟は手術件数が多く、展開が早く忙しい病棟で慣れるまでが大変だと思いますが、早く病棟、周囲のスタッフに慣れ、人の痛み・苦しみがわかる看護師、患者さんに感謝されるようなケアが行える看護師になってもらいたいと思います。
 プリセプター看護師   浅井 昌子
ご出身は
 厳しいこともあるけれど、患者さんとの出会いの中で楽しいことや嬉しいことか沢山あります。人のために何かするというのは、自分の成長にもつながると思います。病気のことも生活面も、精神面も理解して援助をするのは看護師だけができるのだと思います。患者さんの気持ちを第一に看護師を目指してほしいです。
新人看護師 長谷川 朋美